Sunday, May 15, 2016

5.15



May 15, 2016


妖怪と神について、民族学者でもある柳田国男は、
妖怪はかつての神が信仰を失ったことによって零落した姿であると語っている。
それに対し小松和彦は、妖怪も神になりうる存在だと説いた。

妖怪と神のあいだに本質的な違いはなく、
ただ祭祀の有無によってのみ区別する。
祀られている超自然的存在が神であり、
祀られていない超自然的存在が妖怪であると解釈したそうだ。

これは恐ろしい怪物や怨霊なども神として
祀られることのある日本の神観念の特異性を踏まえたものである。

これらを踏まえても私たちの身近な自然現象を妖怪の仕業としたり、
昔からの教えを妖怪になぞらえたりして
伝承していったのはごく自然なことのように思える。